バカ娘

 30年来の知人が昨年亡くなったが、その一人娘から突然連絡がきて「母の遺品を整理したいから見てもらえませんか?」との事だった。
母さんが健在な時は、よくお宅にも伺った。いつも料理屋さんみたいに小さな器に手作りの惣菜をすぐに出してくれた。また玄関や部屋には必ずお花が生けて有り可愛い野草が季節を告げていた。
 今回電話をくれた彼女とは 今までちらっと会釈したくらいの関係だった。

 電話をもらい しばらく経ってから 小さなお花を買って伺った。
お仏壇には、お線香を着けた後があり少し安心した。
 
 その後 お母さんの部屋で話をした。
「お母さんは本当にきちっとした人だったよね。厳しかったお父さんに長年仕えて来たんだからね。そして、お父さんを送りおばあちゃんも送り一人でよく頑張ったよね」
 そんな話をしながら、娘曰く「でも父は 私にはとっても甘かったんですよ・・」との事。
兄二人の末娘。お父さんにとっては、目に入れても痛くない程 可愛いかったのだろうね。
 しかしやっと嫁に行った娘は 今 実家で一人暮らしである。『あんたの帰るところはない』とお母さんに厳しく言われたらしいが 最後はお母さんのそばにいてくれたから良かったのではないだろうか。

 色々話しているうち、ついつい私もその娘に対し『バカだけん・・・』とか 平然と言っている。
「お母さんがまだいるみたい・・・」と娘。
おとうさんとおばあちゃんお母さん。仏壇には三人の写真が飾ってあった。
「いつも夢を見るんですよ!」??????
「私が、母のものを(肌着類)整理して捨てようかとしていると その晩必ず夢に出てきて怒るんですよ・」との事。何かあるとすぐ夢に出て来るらしい。
「ちゃんとお坊さんに来てもらって 供養しよると??」
「いえ・・仕事の関係上 決まった日が出来ないから 全然やっていません」
「ええっ??」
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 「分かった!!今日私がここに来たのは『バカ娘に ちゃんと自分たちを供養するように言ってくれ!』ってお母さんが 私を呼んだのよね」・・・本当にそう思った。 
 先日 テレビを見ていて福島県の放射能汚染で立入禁止になっている地域の人が、墓は崩れたままお寺にもお参りできない状況の方からの便りで「最近両親が夢に出て来るようになりました」という話があった。
夢に出て来る時は 供養が足りない時ではないか。供養を求めているのではないか・って思う。
だから娘に「ちゃんとお寺と連絡とってから供養してもらいなさい!」そうでないと話が前に進まない!と喝!を入れて帰った。
 その後 ちゃんと供養してもらったら連絡を入れます。というメールが届いた。
 
 話をしていて 本当に素直なおっとりしたきれいなお嬢さんだ。
今 実家で一人で暮らしているけど大丈夫かな・・と思うくらいだ。
バカな子供ほど可愛いって言うけど、親は本当に気になって仕方ないんじゃないだろうか。

 私も 彼女に負けない位 親に心配をかけて仕方なかったバカな娘だったけど そんな私が今度は親の立場で今回のバカな娘の面倒を見て行こうではないかと思った。
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by honjoh-hidemi | 2012-08-21 18:49 | 宗教